2022年6月14日の日経新聞朝刊に
という記事が掲載されました。
転勤者は毎年60万人程度で推移しており、ほぼ横ばいが続いています。
戦後、大企業を中心に広がってきた転勤制度ですが、共働きが増え介護など事情を抱える社員もおり、時代にそぐわなくなりつつあります。
転勤制度は学生を一括採用して、人員配置を調整する日本の雇用スタイルに合った制度です。
また、若い社員はいろんな仕事を経験してキャリアを積むことができるので、メリットもあります。
しかし、結婚をしたり親の介護が必要になったりしてくると転勤制度が人生設計においてデメリットになるということもあります。
また、共働き世帯は専業主婦世帯の2倍以上となっており、転勤が退職のきっかけになるという人も多いでしょう。
こういった要因もあり、大企業でも転勤制度を廃止したり転勤の有無を選べたりする企業が増えているようです。
転勤制度をなくすと企業にとっては、人員の調整が難しくなるという懸念点もありますが、転勤制度を廃止した企業は新卒の応募者が急増したという事例もあり新しい魅力になるというメリットもあります。
また、政府も02年に改正育児・介護休業法で、転勤について育児や介護に配慮しなければならないと定めたり、17年に厚労省が「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」をまとめ、見直しを促したりと議論が進んでいます。
今後は労働契約の際に勤務地の変更範囲を明示するよう義務付ける動きもあります。
今後は、従来のメンバーシップ型からジョブ型へ雇用スタイルを変更する企業も多くなると思います。
転勤制度は戦後の日本の企業の雇用スタイルに合ったものでしたが、今後は時代に合わせて制度を見直していく必要があるでしょう。
<山本 瑛祐>