2022年8月22日の日本経済新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
2022年8月22日の日本経済新聞の朝刊に「3人に1人仕事や出生優先令和入社の女性社員1000人調査」という記事が掲載されました。
今の職場では女性が活躍できると令和以降に大学や大学院を出て社会人になった女性の75.5%がそう感じていることが、日本経済新聞社の調査で分かりました。
また3人に1人は「仕事や出世を優先する働き方が理想」と回答しました。
若手女性社員らが、女性活躍や昇進に前向きなイメージを抱いている様子が浮かびました。
「今努めている会社は女性が活躍できる職場か」との問いに「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた人は、4分の3を占めました。
「男女問わず向上心の高い人が多く、女性も出世している」と東京都内で働く入社3年目の女性(24歳)は、勤務先の大手人材紹介会社についてそう話しました。
調査は7月15日~18日、インターネット調査会社のマイボイスコムを通じ、元号が令和に変わった19年5月以降に大学または大学院を卒業・修了して就職し、現在正社員として企業で働く全国の女性1,000人に行われました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の矢島洋子さんは「令和入社の女性らは、制度が十分に整った環境でスタートを切れている」と指摘しました。
10年代前半には、第1子出産後に女性が就業を継続する割合が初めて5割を超えました。
正規雇用に限っては、大半が育児休業制度を利用して出産後も仕事を続けるようになりました。
女性の採用拡大や仕事と家庭の両立を掲げる「女性活躍推進法」も16年に施行されています。
「正社員が就労継続できる一定の社会条件が整った」ことが女性活躍に対する前向きな見方につながっていると矢島さんは分析しています。
社会人としての理想の働き方に対する意識を聞くと「ワークライフバランスを重視したい」という選択肢に対して「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた人の合計は93.5%でした。
一方で「仕事や出世を優先したい」との選択肢について「とても/ややそう思う」と回答した人も35.1%と3人に1人を占めました。
法政大学キャリアデザイン学部教授の武石恵美子さんは「9割以上がワークライフバランスを大切にしたい一方で、3人に1人が出世意欲があるというのは興味深い」と話しました。
「若い世代は、自分を犠牲にしてでも出世を目的にする昭和時代の男性的な働き方は望んでおらず、私生活を大切にしながら面白い仕事を続け、その先には昇進がある、というイメージを持っている。そのうえで武石さんは女性社員について「入社時は元気でもだんだん意欲が下がっていく傾向もある」と指摘しています。
現在のモチベーションを潰さないような取り組みを企業に求める必要があるそうです。
私生活を重視する層についても、若手のうちにどのような仕事を任せるかが重要です。
入社当時は結婚・出産したら専業主婦になろうと考えていた女性も、仕事の面白さがわかればまた働きたいという意欲が高まるそうです。
実際、調査では社会人になった後に「専業主婦志向」が弱まることも明らかになりました。
入社前・学生時代は「出産後に専業主婦になる」と考えていた人が12.4%だったが、就職後には4.5%に減少しました。
女性活躍や昇進に対して前向きなイメージを抱く令和入社の女性たちですが、調査では、その意欲を阻む壁として、職場でのジェンダーギャップ(性差を理由とする格差や働きにくさ)も浮かび上がりました。
職場でジェンダーギャップが「ある」と答えた人は2割にのぼりました。
自由回答では「男性が営業、女性が事務という偏見」「どうせすぐ辞めるだろうと思われ、女性に責任ある仕事を渡さない」といった声のほか、「既婚女性は海外転勤できない風潮がある」「会社の運営に関わる部署は男性社員しかいない」などがありました。
今春、都内のコンサルティング会社に就職した女性(25歳)は「女性は傷つきやすいので指導しにくい」との男性上司の言葉を聞いたそうです。
「実際、男性の同期に比べて、上司から指導を受ける機会が少ないと感じる。
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が成長の壁になっている」と感じているそうです。
企業がジェンダーギャップや偏見を無くすことで、女性がより意欲的に働くことのできる職場になるのではないでしょうか。
<鈴木 翔大>