2023年2月11日の日経記事朝刊に
という記事が掲載されました。
高額療養費制度とは、病気やけがをした際に医療機関で支払う1~3割負担の医療費が、手術や長期の入院などで高額になった場合に窓口で支払った一部の金額が払い戻されるという制度です。
高額な治療や入院などでは医療費が100万円を超え、自己負担が10万単位になることもあります。
そのような患者の負担を少しでも軽減することが目的です。健康保険組合、国民健康保険といった公的医療保険に共通する仕組みで、誰もが対象となります。
自己負担額の上限額の計算式は対象者の年収額によって異なり、基本的には収入額が少ない人ほど上限額が抑えられるようになっています。
対象となる医療費の範囲は、保険適用となる診療に限られます。入院時に必要になってくる、職費や差額ベッド代などは対象外となります。
金額は毎月の1日~末日までで計算し、月をまたいで入院となった場合などは、2か月に分けて計算することになります。
総額が上限額を超えていても、月単位で条件を満たさなければ、払い戻しはされません。
高額療養費制度は加入している健康保険に申請書を提出することで利用できます。
期限は診療を受けた翌月の初日から2年間となっており、一度手続きをした人は申請書なしで手続きが進むこともあります。
過去12か月に3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目からは上限額が下がる仕組みもあります。
「多数回該当」と呼ばれるもので、治療が長引いている被保険者にとっては助かる制度となっています。
また、一時的とは言え、高額な医療費を窓口で払うのは負担がかかります。あらかじめ、高額な医療費が見込まれる場合は、「限度額適用認定証」という書類を提示すると窓口での支払いを上限額までにすることができます。
この認定証は高額療養費制度と同じく加入している健康保険に申請することで受け取ることができます。
高額療養費制度を利用することで、病気などによる思わぬ高額な出費を少しでも軽減することができます。
必要な時に活用できるように、制度について頭の片隅に置いておくとよいかもしれません。
<大野 佑莉>