2023年4月11日の日本経済新聞に
という記事が掲載されました。
政府は雇用保険の失業給付について、転職など自己都合の退職時でも迅速に支給できるようにします。
現状では給付開始まで原則2カ月以上かかりますが、今後は倒産や解雇といった会社都合での7日間と同水準にする検討に入りました。
失業給付は就職したい意思とその能力があり、求職活動をしているのに仕事に就けない人に支給されます。
倒産や解雇などの会社都合と、転職などの自己都合では給付内容が異なります。
会社都合の場合は、申し込んでから7日間の待期期間を経れば支給が始まりますが、一方で自己都合では待期期間に加えて、2カ月間の給付を受けられない期間があります。
給付金目的などの安易な離職を防ぐ狙いですが、転職への障壁になっているという指摘がありました。
そのため政府は支給までの期間を大幅に短縮し、会社都合の離職と同程度の期間を経れば支給できるように仕組みを改めます。
一方で、失業給付などの財源となる雇用保険を巡る財政状況はコロナ禍の雇用下支えで悪化しました。
4月 から労使が負担する雇用保険料率を引き上げたばかりで、失業給付が増えれば再引き上げが焦点となります。
また、退職所得課税の見直しの検討や、リスキング(学び直し)などの人への投資の促進策も掲げられました。
経済的な支援を厚くして転職へのハードルを下げ、成長産業への労働移動を促すことが期待されます。
<葉山 聖華>