2023年5月10日の日本経済新聞の朝刊に
派遣料金、3業種上昇 ~事務・SE・販売、経済回復で採用増~
という記事が掲載されました。
大手人材派遣会社が派遣先企業に請求する料金が上昇しました。
一般的な大手人材派遣会社は顧客企業から受け取った派遣料金のうち、社会保険料などを差し引いた残りをスタッフへ時給として支払われます。
特に、事務やシステムエンジニア(SE)、販売といった3業種の料金は3月までに比べて2~4%高く、新型コロナウイルス禍からの経済回復で、派遣人材の採用を抑えていた企業からの需要が増えています。
コロナ禍が徐々に落ち着き、経済活動が回復してきたことが背景にあることで出社勤務や対面営業が見直され、コロナ前のように派遣スタッフを求める企業が増えています。
一般事務職では未経験者の派遣人材を増やす動きがあり、特に営業アシスタントなど専門職の周辺業務を担う人材の採用が増えます。
また、水際制限の緩和を受けたインバウンド(訪日外国人)の増加を見越し、販売職でも派遣スタッフの需要が強まっています。
経済活動が回復しつつある一方で、コロナ禍をきっかけにしたデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きも加速しています。
スタッフサービスのエンジニアリング事業本部の林田順司ゼネラルマネージャーはSEやプログラマーについて「プログラム言語を熟知し、システムなどを作れる開発系のスキルを持つ人材の需要が強い」と指摘しIT(情報技術)人材としては母数も少なく「希少性が高い状況が続きそうだ」とみています。
食料品や光熱費の上昇で正社員の賃上げが進み、派遣料金の引き上げも受け入れられやすい環境になっており過去1年間の派遣料金の上昇率は事務職で1割近くに達しています。
派遣人材は、ある程度の経験やスキルを前提に求められますが「19年は各業界で人材が足りず、未経験への間口も開けていた」(松本執行役員)場面もあり今後も派遣スタッフの需要は旺盛に推移する見通しで、未経験者にも採用が広がる可能性があります。
コロナ禍が落ち着き人材派遣の需要が高まったり未経験者の採用が広がることによって、企業の人材確保や業務効率に繋がったり、働き手にとって様々な業種の経験を積む機会が増えキャリアアップが期待されます。
<川森 結>