2023年6月27日の日本経済新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
はじめに、介護休業は対象となる家族1人に対して通算93日、3回まで分割して取得できます。
一定の要件を満たせば雇用保険から賃金の67%の介護休業給付金が支給されますが、介護休暇は年5日まで時間単位で取得可能ですが無給という違いがあります。
しかし、介護休業・休暇制度の利用は進んでおらず、総務省の17年「就業構造基本調査」によると、介護をしている雇用者のうち介護休業制度の利用者が1.2%、介護休暇制度は2.7%にとどまっています。
この結果は、事業主に周知義務がないことが一因であり、対象者が40~50代であることが多く、利用をためらう実態がみられています。
そこで、厚生労働省は介護のために従業員が取得する介護休業や休暇制度について対象者に知らせることを企業に義務付ける調整に入りました。
政府は、年10万人規模にのぼる介護を理由とした離職を長期的にゼロにすることを目標に、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で制度内容を議論し、2024年の通常国会に育児・介護休業法の改正案提出を目指します。
介護をしながら在宅勤務できる仕組みの導入も求め、企業の行動と意識変革を促すことで離職を減らし、仕事との両立を後押しします。
具体的には、介護をしなければならない労働者が休暇・休業の利用を会社に申し出た時、支援制度の情報を個別に知らせるよう働きかけたり、制度の目的が仕事との両立であることの説明も促すことで休暇・休業取得の利用を促進します。
少子高齢化社会の現代において、多様な働き方として労働者のライフスタイルに合った働き方の促進によって介護休業・休暇利用へのためらいを少しでも減らすことで仕事と介護の両立や優秀な人材確保に繋がると期待されます。
<川森 結>