2023年11月14日の日本経済新聞朝刊の記事に
という記事が掲載されました。
職務内容を定義し、専門性に基づいて働く「ジョブ型雇用」が若者に人気です。
就職活動中の学生に聞けば、大半は賛成します。賛成する就活生に理由を聞くと、従来の会社にありがちなウェットな人間関係から解放されることを夢見る人は少なくないといいます。
ですが、人間関係を完全に断った仕事はあり得ません。会社のすべての人と仲良くする必要はないですが、人間嫌いには何の仕事もできないことは事実です。
そして、ジョブ型は楽に稼がせてくれる雇用形態ではありません。
それどころか、手に職をつけたプロフェッショナリズムが求められ、常に「あなたは何の専門家か」という高いレベルが問われることになります。
ジョブ型雇用では、担当する業務の範囲・難易度・必要スキルなどがまとめられたジョブディスクリプションと呼ばれる職務記述書を雇用者と被雇用者が共有します。
ジョブ型雇用は仕事を細分化するだけでなく、専門化・高度化が要求され、人間の全体ではなく、部分が必要とされるのです。
一方で、終身雇用や年功序列といった日本の旧来型のシステムは、不況でも給料の安い若者を雇う方が得であるという経済合理性が後押しをしています。
そこには勤続年数に応じて少しずつでも賃金が上がる可能性だけでなく、若者の自己肯定感を担保するという副産物をもたらす側面もあります。
就活生に限らず転職活動をしている人にも当てはまる内容だと思います。
多様性の時代の中、自身のキャリアや今後を考え、自分に合った会社選びをしていただきたいです。
<松尾 良徳>