
2025年12月12日の日本経済新聞に
という記事が掲載されました。
政府・与党の賃上げ促進税制について、中小企業を中心とした支援を行い、大企業や中堅企業ついては法人税減免の対象から外す改正案をあげています。
大企業や中堅企業に対しては、賃上げを促す効果が薄いと判断しました。
近くまとめる26年度の税制改正大綱に盛り込む方向で調整をしており、26年度の中堅企業については給与総額を前年度比で4%以上引き上げることを適用条件とし、現状の3%以上より高くします。
大企業は資本金1億円超で従業員2000人超、中堅企業は資本金1億円超で従業員2000人以下の企業をさします。
資本金1億円以下の中小企業は、前年度比で1.5%以上という賃上げの条件を変えず、27年度以降の仕組みは適用状況をふまえ、必要な見直しを検討します。
賃上げ促進税制は租税特別措置(租特)と呼ぶ政策減税の一つで、従業員の賃金を上げた企業の法人税負担を減らします。人手不足などを背景に賃上げが定着し、政策効果が薄れたと判断したら制度を縮小します。
現行制度が始まった24年度当初の試算では減収規模は年間で約1.3兆円で、このうち大企業と中堅企業向けが計5500億円ほどとなっていました。
政府は租特の見直しを進めており、なかでも賃上げ促進税制は減税規模が大きいものとなります。
租特を巡っては政府・与党が今後、適用を受けた企業名の公表を検討していますが、現状は個別名を明らかにしておらず、「隠れ補助金」との批判もあります。
国が企業の税務情報を公表する必要性や、企業の経営戦略に与える影響などを考慮して実施の是非を見極めるようです。
国の後押しのもと、中小企業にも賃上げを促し、物価高に負けない経済を作ってほしいものです。
<手島 裕子>