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労働力確保への課題

1月31日の朝刊で、

日本の労働力、なお不足 昨年初の7000万人超え、女性・高齢者増 短時間勤務が伸びる

という記事が掲載されました。

総務省の労働力調査によると、2025年の日本の労働力人口は7,004万人となり、統計開始以来初めて7,000万人を超えました。

人口減少が進行する中においても労働力人口が増加した背景には、女性や65歳以上の高齢者の就業拡大があります。

賃金上昇や人手不足を背景に、これまで労働市場に参加していなかった層の就業が進んだことが、全体の押し上げ要因となりました。

一方で、労働力人口が増加しているにもかかわらず、パート・アルバイトなどの短時間勤務者が増えたことで、1人当たりの年間労働時間は減少がしています。

実際に、平均年間就業時間は前年から減少し、長期的に見ても縮小傾向が続いています。このことから、表面的な就業者数の増加とは裏腹に、労働供給力全体としては依然として不足感が強い状況にあるといえます。

また、女性の就業が進む一方で、非正規雇用の割合は依然として高く、いわゆる「年収の壁」などの制度的要因が、就業時間の調整やキャリア形成に影響を与えています。

これにより、働く意欲があっても就業時間を抑えざるを得ないケースが存在しており、労働力の十分な活用につながっていない面が見受けられます。

制度面の見直しに加え、柔軟な働き方や処遇の改善を進めることが重要です。

さらに、高齢者の就業拡大についても、単に雇用を継続するだけでは十分とはいえません。

加齢に伴う体力や健康面への配慮を踏まえ、職務内容や勤務時間を適切に設計することが求められます。

経験や知識を活かしながら、無理なく働き続けられる環境を整えることが、労働力の安定確保につながると考えられます。

今後、15~64歳の働き手は2030年代に減少へ転じる可能性が高いとされており、労働力人口の増加余地は限られています。

このような状況下では、人材の量に依存する対応には限界があり、生産性の向上や働き方の質の改善が、企業経営においてますます重要になります。

一人ひとりが能力を発揮し、長期的に働き続けられる環境を整備することが、持続的な経済成長に向けた重要な課題であるといえます。

<小松 優佳>