
2026年3月10日の日本経済新聞の朝刊に
給付付き控除、緊急時も活用 自民、制度設計の議論開始 災害など「迅速支給」訴え
という記事が掲載されました。
自民党は9日の会合で「給付付き税額控除」の制度設計について議論を始めました。
中低所得者の家計支援に加え、災害などの緊急時に速やかに現金を支給できる利点を訴える方針です。
超党派の「社会保障国民会議」と並行して党内の意見集約を進めます。
同日、党本部で社会保障制度調査会の会合を開き、「目的を何のためにやるかによってかなり財源も変わる。本来どういうようなものなのかも変わってくる」と参加者に幅広い議論を求めました。
給付付き控除とは所得税額から一定額を差し引く税額控除と給付を組み合わせる仕組みで、所得が少なく納税額が控除額より少ない場合は差額が給付されます。
政府が各世帯の所得や資産を把握することが制度の前提ですが、一律の消費税減税などと異なり、支援が必要な人に早急に給付することができます。
給付付き控除の早期導入を進めるとともに「緊急時のインフラ」としての役割も視野に入れています。自然災害や感染症の拡大といった事例にも対応可能となります。
給付付き控除の運用について、マイナンバーとひもづいた公金受取口座やマイナポータルの活用を行えば、給付決定から数週間で届けられるのではないか。消費税減税に比べて、公金口座を通じて現金を配るほうが物価高対策として効果が早く出るのではないかなどの見方もあります。
安倍晋三政権時、新型コロナウイルス対策で講じた給付は事務費用に約1400億円が計上され、支給まで数カ月を要しました。「ばらまき」との批判もまねいていました。
対して、米国は給付付き控除の仕組みをもっているため、バイデン政権時は新型コロナ対策として社会保障番号を持つ個人の銀行口座に2週間ほどで現金を直接振り込むことができました。
石破前政権が給付付き控除を求める野党の立場に理解を示して流れが変わりました。高市首相も重要政策に掲げ、社会保障と税の一体改革を話し合う国民会議の最優先テーマに据えています。
超党派協力の土台や環境がすでに整っています。国民会議は2月末、自民、日本維新の会、チームみらいの3党で初会合を開きました。国民民主党が参加を表明し、中道改革連合、立憲民主党、公明党も前向きな立場を示しています。
複数の政党が協力し合い、前例を生かして、国民にとってより良い制度を作ってほしいものです。
<手島 裕子>