2019年6月26日の日本経済新聞の朝刊記事に
という記事が掲載されました。
どの業界でも人手不足は叫ばれていますが、中でも小売業は深刻な状況にある業種の1つではないでしょうか。
2018年2月に農林水産省食料産業局が発表した「卸売業・小売業における働き方の現状と課題について」によると、全産業の欠員率が2.1%だったのに対し、小売業は2.9%と高い数値となっています。
小売業に多い「長時間労働」「休日の少なさ」「非正規雇用労働者の多さ」「低賃金」などの特徴が、このような人手不足の要因であると考えられます。
働き手が減少する日本で、今の現状が続けば、最悪の場合「人手不足倒産」が広がることも考えられます。
実際に、帝国データバンクの「人手不足倒産(2013~2018)の動向調査」によると、2018年の小売業人手不足倒産は前年比77.8%増加の16件で、6年間の合計は40件にのぼっています。
上記に挙げた小売業の人手不足の要因は、働き方改革で進められている、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」「生産性向上」などの取り組みと密接に関連しており、小売業では働き方改革が急務となっています。
そうした中で、小売業の営業時間の短縮検討が広がることは自然な流れであると思えますね。
コンビニ業界では2月、大阪府にあるセブンイレブンのフランチャイズチェーン加盟店が人手不足などを理由に営業時間を短縮し、チェーン本部と対立したことをきっかけに、24時間労働の是非に注目が集まりました。
コンビニの24時間営業については、消費者の72.6%が賛成であることが日本経済新聞社の調査で分かっています。営業時間を伸ばすことで売り上げをあげてきた従来のモデルでは経営がなりゆかなくなっていくでしょう。
コンビニに限らず、小売業全体がその店舗の立地や状況に応じた柔軟な対応が求められています。
〈藤川 楓〉