福岡の社会保険労務士法人 COMMITMENT

Topics

トピックス

新たな在留資格である「特定技能」について

2019年8月8日の日本経済新聞の朝刊記事に

アジア各国政府、悪質業者に対策 特定技能で許可制

という記事が掲載されました。

改正出入国管理法が施行され、一定の技能や日本語能力を持つ外国人が、新たな在留資格である「特定技能」を取得し就労できるようになり、4か月余りとなりました。

「特定技能」とは、人手不足が深刻な産業に労働力を提供するための制度であり、人手不足の解消を目的としています。

人手不足が深刻な、外食業、宿泊業、建設業などの14業種で、日本語能力と技能試験に合格すれば最長5年間働くことができます。

「特定技能」には、1号と2号があり、1号は特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格であり、2号は特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格と定義されています。

また、特定技能1号の在留資格では、日本語能力評価試験と特定技能評価試験に合格すれば、実務経験がなくても就労可能です。

従来の在留資格制度では、学校での専攻科目と職務内容に関連性が求められたため、就労に必要な在留資格への変更ができずに帰国しなければならない留学生もいました。

しかし特定技能では、試験に合格することで留学生の採用も可能となるため、今後は学校の就職課などを通じた外国人採用が増える可能性があります。

しかし、政府は特定技能で働く外国人の受け入れを、5年間で最大34万5150人と想定していますが、法務省は、2019年7月末時点で、「特定技能1号」で日本に在留する外国人は44人だったと発表しました。

申請は増えているが、書類の不備などが多く、認定までに時間がかかっているようです。

記事のように対策が進み、悪質な仲介業者が排除され、円滑で適正な手続きが促進されると、特定技能で働く外国人は今後ますます増えていくでしょう。

日本の生産年齢人口(15~64歳)は、2008年に1億2808万人をピークに減少の一途をたどっています。

「国立社会保障・人口問題研究所」の推計結果によれば、日本の生産年齢人口は、2027年には7000万人を下回り、2051年には5000万人を下回ると予想されています

今後、日本の労働市場において、人手不足が深刻化するのは明らかで、ますます、外国人の労働力が必要不可欠となるでしょう。

こうした流れに合わせて、外国人が働きやすい環境の整備も進めていきたいものですね。

〈藤川 楓〉