最近では老後2000万問題が大きく取り上げられ、老後資金について考えようと感じた人は多いのではないでしょうか。
記事にある確定拠出年金(DC)には、大きく分けると企業型と個人型があります。
企業型は一般的に会社の退職金制度で、個人型(iDeCo)は自分で老後に向けて備える制度です。
DCの加入者は増加傾向にあり7月末時点で企業型・個人型あわせて850万人を超えたそうです。
そういった中、今回は企業型DCのメリットやデメリットについて紹介いたします。
メリットにつきましては、以下の3点が考えられます。
1点目は、マッチング拠出についてとなります。
企業が負担する掛金に自分で掛金を上乗せするものですが、企業型と個人型を併用するにはさまざまの条件があるためマッチング拠出を利用することで個人型に加入できないという問題が解消されます。
2点目は、下記の3段階で税制優遇があることが挙げられます。
・運用益が非課税になること
・受取時に退職所得控除や公的年金等控除などの税控除が受けられること
3点目は、社会保険料のコストダウンとなる可能性があることです。
社会保険料は、原則、事業主と被保険者が折半して納めます。
しかし、給与の一部を掛金として拠出することで総支給額が減ることになり社会保険料が減少します。
これは被保険者・事業主ともに大きな恩恵といえるでしょう。
反対にデメリットとしては以下の3点が挙げられます。
1点目は、DCは一定の条件をクリアしない限り、脱退することや資金の切り崩しができない仕組みになっており、60歳まで引き出すことです。
そのため何かあった時の資金は別に準備する必要があるでしょう。
2点目は、運営のために手数料がかかります。
一般的に毎月発生することになり、企業への負担につながるため注意しましょう。
3点目は、従業員への研修・教育についてです。
DCは仕組み上、中途退職金として受け取ることができません。
そのため、転職先で継続して運用するか、または個人型に切り替えるか選択する必要があります。
個人型に切り替える場合は、掛金や手数料は本人負担になります。
また、加入を選択制にする場合には、マッチング拠出を含めた仕組みやメリット・デメリットを説明した上で選んでもらうことが大切です。
DCにはメリットだけではなくデメリットもあることがわかりました。
しっかりと吟味した上で、企業・従業員にあった老後資金運用を考えてみてはいかがでしょうか。
<平松 萌果>