2019年9月21日の日本経済新聞の朝刊記事に
という記事が掲載されました。
同一労働同一賃金とは、いわゆる正社員と、非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
2020年4月より、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(いわゆるパートタイム、有期雇用労働法)の施行及び、労働派遣法の改正により、同一企業内において正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差が禁止されます。(ただし、中小企業への適用は2021年4月からとなります)
ここでいう待遇差とは、基本給・昇給・賞与・手当などといった賃金のみにとどまらず、教育訓練や福利厚生等についても該当します。
そしてそれらの待遇差は
②職務の内容・配置の変更の範囲
③その他の事情
の客観的・具体的実態に照らして不合理なものであってはいけません。
単に将来の役割期待が異なるためなどという主観的・抽象的な説明では足りず、事業主は非正規雇用労働者から、待遇差の内容や理由について説明を求められた場合には、説明をしなければなりません。
そのため、各社の労働者と使用者により、個別の事情に応じて、待遇差の体系について、議論をしていくことが望まれています。
記事にもあるように、人手不足が深刻化する中、待遇差を改善することで、人材確保につながる一方、人件費の増加が懸念されます。
また、場合によっては正規雇用労働者の賃金が減ったり、新規雇用の減少などの恐れもあります。
上記で述べたとおり、使用者は待遇差について説明の義務も強化されているため、賃金制度などの見直しなども必要となるかもしれません。
同一労働同一賃金は、本来の目的通りに実現すれば、非正規雇用労働者の賃金アップにつながるかもしれません。一方で、実現に至るまでには様々な課題点があります。
企業はより一層の経営の効率化への取り組みが求められてきます。
〈藤川 楓〉