2019年11月3日の日本経済新聞の朝刊記事に
という記事が掲載されました。
第二次安倍内閣が「女性活躍の推進」を政策の一つの柱に掲げたこともあり、女性の就業率は上昇しています。
政府は、女性の活躍を推進するため、産休や育休制度の整備や保育所の増設などに取り組みました。その結果、結婚や出産を経験する人が多い30代から40代の労働力率が、その前後よりも落ち込むという、いわゆるM字カーブは緩やかになってきています。
国や企業の、育児・介護との両立支援が充実し、女性の就労を後押ししているほか、人手不足が深刻なサービス業を中心に、企業が積極的に女性を取り込もうとしていることが働く女性が増加している背景にあると思われます。
ただ、一方で、賃金面などでは男女格差が依然として残り、女性管理職比率はまだまだ低いままであることが指摘されます。
政府は2020年までに「社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%程度とする」ことを目標にしています。
そのため、多くの企業が女性管理職を増やすことに奔走しています。
女性管理職を増やすことのみが、女性活躍推進ではないものの、目先の数値目標達成のために、性急な取り組みを進めようとすると、様々な軋轢が生じ、女性活躍の本来のあり方やそれを阻む真因が見えづらくなってしまいます。
厚生労働省「平成26年雇用均等基本調査」によると、従業員30人以上の企業において、女性活躍を推進する上で必要な取り組みとして、「女性のモチベーションや職業意識を高めるための研修機会等の付与」が一位に上がっています。
つまり、女性のモチベーションや職業意識が低いことを、企業として問題視していることが分かります。
女性のモチベーションが低いことは、そのほか様々なデータでも示されています。女性の昇進意識が低いことはこのことからも推測できます。
しかしこれは、女性の昇進意識が低いことが、仕事への意欲全般が低いこと意味しているとは言えません。
まずは、育児、介護との両立が困難というような、従来の管理職のあり方を見直し、女性も管理職として働きやすい環境を整備することが必要であることを意味しています。
人手不足が深刻化していくため、働く女性は今後も増加していくことが予想できます。
副業や兼業、テレワーク、時短社員など時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が、さらなる「女性活躍の推進」に繋がっていくように思います。
〈藤川 楓〉