2020年2月4日の日本経済新聞の朝刊記事に
という記事が掲載されました。
かつてのファミレスは、深夜営業を行えばそれなりの来客が見込め、深夜の時間帯での勤務を望む労働者もいたので、24時間営業というシステムはうまく回っていました。
しかし、インターネットの普及によりライフスタイルが変化したことで、深夜に集う若者が減少したことや、消費者の購買力が減少していることなどにより、深夜営業の売り上げが減ってきたことが、24時間営業廃止の最大の理由のようです。
さらに、人件費が高騰していることで、深夜営業はわり合わなくなってきています。
電通の過労自殺問題に代表されるように、日本では長時間労働が社会問題化しています。
コンビニの24時間営業や百貨店の元旦営業など、過剰なサービスは必要ないとの声が一部から出ていたこともあり、今回の決定は概ね好意的に受け止められているように感じます。
ただ、今回の営業時間短縮を働き方改革の一環として実施したものと捉えてしまうことは、本質を見誤るかもしれません。
上記でも挙げたように、24時間営業廃止の要因としては、深夜の時間帯の客数の減少や人手不足が挙げられますが、その背景にあるのは、日本経済の構造にあるように思います。
営業時間の短縮や長時間労働の是正という問題は、経済そのものの仕組みと深く関係しています。この部分を抜きに労働時間の話だけに問題を置いてしまうと、本質的な解決は難しくなるでしょう。
日本の長時間労働の背景には様々な見解があるようですが、単純に数字で判断すれば、長時間労働をしなければ今の生活水準が保てない、というのが主な理由のようです。
厚生労働省では日本の生産性の低さについて、時間要因ではなく付加価値要因が大きいと結論付けています。
つまり日本企業はグローバルな競争環境に適用できておらず、儲からないことばかりやっており、結果として長時間労働にならざるを得ない、ということです。
見直していくべきなのは、労働時間だけではなく、生産性の向上に向けた、1人ひとりのワークライフバランスの構築であるべきなのかもしれませんね。
〈藤川 楓〉