福岡の社会保険労務士法人 COMMITMENT

Topics

トピックス

退職金制度の見直しについて

2020年7月21日の日本経済新聞の朝刊記事に

退職金制度~見直し重要~

という記事が掲載されました。

投稿プラットフォーム「COMEMO」において、「退職金制度は必要か」との問いについて賛否の見方が集まったようですが、いずれにしても「時代に合わせた改革が必要」との意見が大部分を占めたという記事の内容となっていました。

退職金制度の導入は法律上の義務ではなく、企業によって導入の有無は異なります。

日本では約80%の企業が退職金制度を導入しています。

退職金制度は退職一時金制度、退職年金制度と大きく2つに分かれており、企業によっては片方だけでなく、どちらも導入している企業もあります。

退職金制度は労働者側のメリットだけではなく、企業にとっても

「人材の定着を図る」
「定年までのモチベーションの維持を図る」

といったメリットがあります。

このように長年日本の企業に導入されてきた退職金制度ですが、昨今では見直しを必要とする声が上がっています。

記事の中では「日本の退職金制度は労働市場の流動化を阻止する諸悪の根源」と指摘する声があり、同じ会社で長く働けば働くほど退職金の恩恵が大きくなる制度が、労働市場の流動化を妨げているといった意見でした。

退職金への課税は、勤続年数が長くなるともらったお金から差し引ける控除額が増え、税負担をさらに軽くする。終身雇用に有利な仕組みになっています。

ただし、退職金制度については老後の生活資金としてそれをもとに人生設計をしている労働者も多く、労働者市場の流動化といったマクロな視点も踏まえ、個々の労働者の働き方、人生設計について留意した上で見直しをする事が必要なのではないでしょうか。

また、失業時のセーフティーネットや職業紹介など、転職や起業しやすい環境を整えることと同時に議論する必要があると考えられます。

〈蔵永彩絵〉