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有給休暇取得率について

2023年8月7日の日本経済新聞の朝刊に

休めども 7割の目標遠く ~有給休暇の取得率、58%に改善でも 職場改革、世界に遅れ~

という記事が掲載されました。

労働基準法39条で、使用者は、正社員、パートタイム労働者などの区別なく、一定の要件を満たした全ての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければならないと定められています。

いつ有給を取るかは原則的に労働者の自由ですが、「事業の正常な運営を妨げる」場合は、使用者は別の日に取得するように求めることもできます(時季変更権)。

年次有給休暇の付与日数については下の表の通りです。

(引用 厚生労働省)

働き方改革の一環の19年の労働基準法改正で、企業は労働者に有給を与えるだけでなく、実際に取得させる義務も負うようになりました。

10日以上の有給の権利を持つ労働者に対しては、5日分の時期を指定し取得させなければならないというものです。

義務違反には、対象の労働者1人につき30万円以下の罰金が定められています。

19年の労働基準法改正の後押しもあり、企業で働く人の有給休暇の取得率は高まっています。

2000年から17年間にわたり5割を切っていた有給取得率は大幅に改善し、2021年は58.3%と3年連続で過去最高を更新しています。

その一方で、義務内容を正確に理解していない企業も多く、21年の有給関係の法令違反件数は前年の2.8倍となっています。

特に、従業員1000人以上の企業の取得率63.2%に対し、30~99人では53.5%にとどまっており、企業規模による取得格差は深刻な問題となっています。

しっかりと有給を取れる環境づくりは、社員のつなぎとめや採用においても大きな効果があります。いま一度、有給休暇付与や管理方法などを見直してみてはいかがでしょうか?

<近井 萌華>