2023年8月23日の日本経済新聞の朝刊に
厚労省、非正規の職業訓練を後押し ~オンラインや時間選択可能に~
という記事が掲載されました。
厚生労働省は離職者向けが中心となっていた職業訓練を非正規労働者も受けやすくする方針です。
働きながらでも学びやすいようにオンライン講習や受講時間を選べる新たな訓練を創設し、正社員になるのを後押しすることを2024年度の概算要求に関連予算を盛り込むとのことです。
公的職業訓練のリスキング(学び直し)への活用を推進し、通学だけではなくオンラインも活用した職業訓練の試行事業に関する予算を計上します。
職業訓練は、もともと離職者向けの措置であり平日・日中の受講が基本となっていることから、非正規労働者にとって職業訓練と仕事との両立が困難でした。
新訓練はキャリアアップを目指す社員にも需要があるとみています。
厚労省は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて短時間・短期間の受講を認めるなど、職業訓練のリスキングへの活用を進めてきました。
ただ、在職者の利用割合は求職者支援訓練の1割程度にとどまっているのが現状です。
学び直し向けの教育訓練給付も雇用保険の被保険者が対象であることから、非正規の労働者は受給できる可能性が低くなっております。
概算要求では在職時から継続的に支援する、「リスキリング推進相談支援事業(仮称)」や在籍型出向の推進など、学び直し関連の支援拡充を盛り込むとのことです。
要求案では、「労働者が自らの選択で労働移動できるよう支援を行う」と強調し、企業の人材確保にも繋げていくといった方針を示しています。
日本の各企業で人材不足が懸念されているなか、非正規雇用の人材をより強化させる支援は企業の様々な可能性を生み出す機会にも繋がると期待されます。
<川森 結>