前回、割増賃金算定において、控除される項目を挙げました。もう一度挙げますと
①家族手当
②通勤手当
③別居手当
④子女教育手当
⑤住宅手当
⑥臨時に支払われた賃金
⑦1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
家族手当、通勤手当、その他の手当は、名称にかかわらず実質によって判断されます。
例えば、通勤手当において、距離に関係なく支払われる部分がある場合、その部分は割増賃金の算定基礎に参入する必要があるということです。
■ここからは、具体的に割増賃金の算定基礎に算入するかどうかでみていきます。
~算入する場合~
・扶養家族に関係なく一律に支給されている場合(家族手当)
・独身者に対しても一定の額が支払われている(家族手当)
・家賃月額5万~10万円の者には2万円、家賃月額10万円を超える者には3万円を支給(住宅手当)
・営業職の技能および営業実績に対する手当という趣旨で営業手当を支給している場合
~算入しない場合~
・家族数に応じて支給される場合、扶養10000円、子(一人目)5000円、子(2人目)5000円
・家賃の一定割合を支給、家賃の50%を支給(住宅手当)
・事業場外労働のみなし労働時間制をとっている場合に、営業手当の名称で時間外割増を支払っている場合
このように手当支払いの実態で、割増賃金の算定基礎から除外するかどうかを判断します。
適切に対応するためにも、ルール作りとして就業規則(賃金規定)に規定しておくと間違えて割増賃金を計算することもなくなるでしょう。