2024年5月29日の日本経済新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
「シニア雇用」は、高齢者を雇用することで少子高齢化や労働人口の減少に対応する取り組みのことであり、近年日本ではこの「シニア雇用」と呼ばれる60歳以上の労働者の存在が高まっています。
総務省の調査によると、60代以上の就業者数は2023年に1468万人、就業者全体に占める割合は21.8%で、この数字は20~34歳の23.2%に肉薄しています。
このようにシニア雇用の存在が高まっている要因の一つとして、シニア自身の就労意欲が高まっていることが挙げられます。
日本経済新聞社が実施した世論調査によると、何歳まで働くつもりかという質問に対する回答として「70歳以上」と答える人の割合が39%と3分の1以上を占めており、調査開始以来過去最高となっています。
しかし一方で、意欲が高く働くシニアが増えるにつれ、待遇面での不満が顕在化し始めているという現実があります。
パーソル総合研究所は2023年に、60歳以降に転職した人の理由として「給与に不満がある」という回答が「倒産・リストラ・契約期間終了」という回答を大幅に逆転したという結果を発表しています。
再雇用後は給与水準が下がる場合が多く、それに対する不満が顕在化した結果だといえます。
少子高齢化が進み、人手不足が深刻さを増している世日本において、シニアは貴重な戦力となっていくことを踏まえても、企業は人材のつなぎ留めに向けて待遇向上や就労環境の整備がますます重要になっていくと思います。
また、企業側のみならず働くシニア側も、「定年後も雇用し続けてもらえる」という意識を忘れず意欲的に取り組むことで、企業のレベル向上や社内のモチベーションアップにもつながるのではないでしょうか。
<福万 ひな>