2024年11月1日の日本経済新聞の記事に
保育所入園率、79%に低下 育休給付の延長、「落選狙い」影響か
という記事が掲載されました。
認可保育所に申し込み、実際に入れた園児の割合を示す「入園決定率」が2024年度は平均79.1%となり、昨年度から1.7ポイント低下したことが31日、政令指定都市と首都圏自治体の計100市区を対象とする民間団体の調査で分かりました。
一部では親が育児休業給付の延長のため、あえて人気が高い保育所を希望する「落選狙い」が影響している可能性があるとしています。
育休給付の期間は原則子どもが1歳になるまでで、最初の半年間は賃金の約67%、それ以降は約50%が雇用保険から支給されます。保育所の選考に落ちたなど特定の場合に限り、最長2歳まで延長できます。
保育園に入所できないことを理由とする延長の申請には、入園落選を示す自治体の「入所保留通知書」が必要です。入所する意思はなく、通知書を得るため、高倍率の保育所に申し込む事例が相次いでおり、問題となっています。
厚生労働省が令和7年4月から育休延長の審査を厳格化することが決まりました。
保育園の入所をめぐり、16年に「保育園落ちた、日本死ね」という待機児童問題の切実さを訴えた匿名のブログが話題となり社会問題化しました。
政府と各自治体の取り組みや子どもの数が減少したことにも起因し、現在全国でみると待機児童の数は減少しています。
しかし、特に都心部では、進級や卒園により空きが出ることが多い4月入園を逃してしまった場合、認可保育所へ「年度途中」で入園する難しさは未だ残っているのが現状です。さらに0歳児の入園のハードルは高いことが多いようです。また、子どもの特性によっては、保育園へ預けること自体が難しい場合もあります。
育休延長審査の厳格化を機に、本当に育休延長を必要とする人を正しく見極め、仕事と子育ての両立の助けとなる制度化につながっていってほしいと思います。
<辻生 智華>