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介護休業の取得促進について

2025年2月13日の朝刊に、

介護休業、中小の取得促す 同僚への手当補助加算 厚労省 利用日数に応じ増額

という記事が掲載されました。

厚労省は2025年度、中小企業を対象に、介護休業中の社員に代わる人員を補充したり業務を代わった同僚に手当を支給したりする際の補助金を増額します。

これにより、介護休業を取得しやすい環境を整え、労働力の流出を防ぐことが狙いです。

具体的には、介護休業を15日以上取った従業員1人につき、業務を代替した同僚への手当として最大10万円を、介護休業中の新規雇用に対し最大30万円を補助する、などがあります。

現在は介護休業が5日以上でそれぞれ5万円、20万円を補助していますので、今回の改正でかなり改善されたと言えます。

また、利用日数に応じて増額する仕組みを設ける、介護休業の取得者を5人分まで申請できるようにするといった動きもあり、ますます改善されることが期待されます。

財源は雇用の安定や能力開発のために事業主が保険料を負担している「雇用保険2事業」から捻出し、そうすることで中小企業が社員の休業取得で損失を受けないよう支援する仕組みとなっています。

2022年の就業構造基本調査によると、介護をしている雇用者のうち介護休業を利用した人はわずか1.6%にとどまっています。

介護休暇や短時間勤務などを含めても11.6%に過ぎず、利用率の低さに驚きます。その一方で介護離職は年10万人に達し、その4割が「両立制度が整備されていなかったり、利用しにくい雰囲気があったりした」と答えています。

制度はあっても活用しづらく、利用されないケースが多いとみて、厚労省を中心に環境整備を急いでいます。

育児休業は介護休業と比べて利用が盛んであり、育休取得率は2023年度で男性が30.1%、女性が84.1%にまで上っています。

介護休業は産後休業のように取得が義務ではないため、社員自らの申し出がない限り企業が実情を把握しづらい現状にあります。

今後も少子高齢化がどんどん進んでいくことを踏まえると、介護休業はますます重要な問題となっていくことが考えられるので、社会の中でもっと深刻にとらえるべきだと思います。

<福万 ひな>