今回の記事は以下の通りです。
働く高齢者の増加により、年金を貰いながら働き続ける人が増えています。
在職老齢年金とは厚生年金と賃金の合計が一定の基準額を超える場合、年金が減額される制度です。
ここでの賃金とは賞与を含む年収を12で割った標準報酬月額のことであり、現行としては60~64歳では月28万円、65歳以上は月47万以上を基準額としています。
増加し続ける年金給付額を支えるためにも重要な制度とされていますが、高齢者の労働意欲を阻害することになるのではという指摘があり、減額基準の見直しがされています。
厚労省の資料によると、60~64歳の減額引き上げに関して「一定の就業促進効果がある」との記述があり47万円に引き上げる方針のようです。
現在の高年齢者雇用ですが、定年を定める場合は60歳を下回ることができないとしており、65歳未満としている場合はいずれかの措置が必要となります。
・65歳までの継続雇用制度の導入
・定年の定めの廃止
このうち継続雇用制度の導入が採用割合の高いものとなっており、1年間契約の有期労働者や短時間勤務や隔日勤務などの雇用形態も含まれています。
また、継続雇用先は自社のみに限らず、グループ会社での雇用も可能としています。
以前は継続雇用の対象となる高齢者の基準を労使協定によって定めることができましたが、12年の法改正によって希望者全員の継続雇用が義務化となりました。
ただし、老齢厚生年金の引き上げに合わせた労使協定による対象者の選定は経過措置として認められることとなっています。
人生100年時代を迎える今、65歳までと言わず働く意欲のある高齢者が能力を十分に発揮できるような職場づくりの整備が求められています。
短時間勤務や隔日勤務といったフルタイム以外の働き方も視野に入れ、働き方の多様化の確保も重要となってきています。
高齢者が能力に応じた活躍をするためにも、会社の継続雇用制度や定年制度の見直しを行い、経験のある従業員が長く勤められる環境を作っていけるといいですね。
<平松 萌果>