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福岡市の「はんこレス化」について

2020年9月28日の日本経済新聞に

福岡市が押印全廃、国の申請書除く3800種

という記事が掲載されました。

福岡市は婚姻届など、国が押印を求める書類を除き、福岡市に提出する約3800種類の書類の押印を全廃しました。

福岡市は行政手続きのオンライン化の推進のためまず押印全廃、通称「はんこレス化」を実践しました。

今日、新型コロナウイルスの影響に起因して、特別定額給付金がマイナンバーカードによる申請でも受け取れるようなったことをはじめとして、様々な行政手続きのオンライン化・デジタル化が急ピッチで進められています。

「行政手続きオンライン化法」の制定により現在では、国税申告・納税(e-tax)、登記・供託のオンライン申請(登記ねっと、供託ねっと)、社会保険・労働保険関係手続の電子申請(e-Gov)、在留申請手続きなど少しずつ国の行政手続きのオンライン化が拡大し続けています。

様々な行政がオンライン化を進める中で障害の1つとなっているのが日本の押印の文化です。さらに電子ファイルは紙書類に比べ完全性・本人性が懸念されているため電子ファイルは劣っていると考えられています。

重要な書類には押印と署名をするという日本独自の文化をいかに変えることができるか、電子ファイルを100%完全に本人性を証明することができるかが行政手続きのオンライン化・デジタル化の要となっています。

今回の福岡市の押印全廃のニュースは日本に大きな追い風となるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスが流行し多くの企業がテレワークを導入している中、「テレワーク期間 、押印のために出社する」というテレワークの問題が話題になりましたが、電子印鑑サービスや電子署名などの様々なサービスが展開されており、テレワークをしながら押印のための出社する必要がなくなり、より自由な勤務スタイルが可能となるかもしれません。

働き方改革とともにデジタルファースト法(情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案)が注目を浴びており生活やビジネスに与える影響は非常に大きく、様々な利便性の向上効果と行政処理効率化などが期待されています。

ペーパーレスで環境にも優しく、働く人々にも優しい社会が実現する可能性が大いにありますね。

いずれ訪れであろう手続きの電子化に備え会社でもできるところから電子化を進めておくといいかもしれませんね。

<野村 貴司>