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人員削減の増加について

2020年12月30日の日本経済新聞の朝刊に

希望退職2.5倍の91社~20年1.8万人、アパレルが最多~

希望退職とは、会社が従業員の主体的な退職を募ることをいいます。

人員整理を目的に行なわれることがほとんどで、リストラの前段階とも言えます。

ただし、従業員の意思が最優先となり法的な拘束力があるものではないため、会社側から強制することはできません。

しかし、希望退職に伴う退職の場合は、原則として、自己都合ではなく会社都合での退職が成立します。

新型コロナウイルスの流行をうけ、人員削減に乗り出す上場企業が増えており、2020年は前年比2.5倍の91社が希望退職を募集したとされます。 

19年ににおいては、個別の経営状態に基づくリストラが多かったのですが、20年においては幅広い業種の企業業績が悪化し人件費削減でしのごうとする動きが広がっています。

20年に希望退職を募集した企業は91社、募集人数は1万8000人強となり、企業数はリーマン・ショック直後の09年(191社)に次ぐ水準となっています。

1社あたりの人数は200人弱と19年と比べ4割減ったものの、多くの企業がリストラを迫られた形となりました。

業種別で最多だったのは18社のアパレル・繊維で、外出自粛や在宅勤務の普及が逆風となったようです。

また外出自粛が響いたのは、外食産業も同様で、20年はロイヤルホールディングスなど7社が希望退職を募集しました。

ほかの業種では電気・精密(14社)や自動車関連(11社)があげられます。

19年の希望退職の募集企業のうち、約6割は業績が良好なうちに人員構成を見直す「黒字リストラ」でした。

しかし、20年は「新型コロナによる潮目の変化に耐えきれない企業がリストラに踏み切っている」との見方があります。

企業が希望退職を募集する際には会社の信用や資金の損失の回避、退職者とのトラブル防止の為に、あらゆる対策を立てておこなわなければなりません。

コロナ禍の収束がみえないなか、21年には18社が合計3300人以上の募集を予定しています。

また日本板硝子も、21年1月に国内で約400人の希望退職を募集すると発表しており、今後希望退職が一層広がる可能性があります。