2021年5月11日の日本経済新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
新型コロナウイルスのワクチン接種にあたって、資格があって現在仕事に就いていない「潜在看護師」等に活躍してもらうため、厚生労働省は一時的に収入が増えても社会保険制度の扶養から外れない仕組みを周知しています。
例えば夫が会社員で妻がパートの場合、妻の年収が130万円未満だと夫の扶養に入り、年金と健康保険の保険料を払う必要がありません。そのため年収が130万円を超えないように働く人がいます。
健康保険の被扶養者となれるのは、主として被保険者に生計を維持されている75歳未満の3親等内の人です。75歳以上の人は後期高齢者医療制度の被保険者となります。
※令和2年4月1日から、被扶養者には国内居住要件が課されています。例外となるのは、子どもが留学やボランティアなどで海外へ渡航する場合です。
被扶養者の範囲
①配偶者(内縁関係も含む)、子、孫および兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属
②被保険者と同居している、被保険者の3親等内の親族(①を除く)、内縁関係の配偶者
の父母および子(死亡後含む)
生計維持の条件
①同居の場合
被扶養者の年収130万円未満(ただし60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の人については、年間収入180万円未満)かつ被扶養者の年収が被保険者の年収の半分未満
②別居の場合
被扶養者の年収130万円未満(ただし60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の人については、年間収入180万円未満)で、かつその額が被保険者からの仕送り額(援助額)より少ないときに被扶養者となります。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、業種によって働き方も多様化しています。
厚生労働省の通知では、今後1年間の収入を見込む際に「認定時には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること」とあります。
収入の増加が「一時的」なものか、「恒常的」なものか確認する必要があります。
<寺師 瞳>