2021年9月11日の日経新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
近年、「介護離職」が問題となっています。
介護離職とは、介護と仕事の両立が困難となって、家族の介護のために会社を辞めることです。
厚生労働省の雇用動向調査を基に試算すると、「介護・看護」を理由に離職した人は20年時点で約7万2700人でした。
多くの場合、親の介護が必要となるのは40~50代の働き盛りの世代です。
企業にとっては、経験を積んだ中堅社員が抜けてしまうため大きな損失となってしまいます。
また、介護が必要になりやすい40~50代では介護離職後の再就職率が低くなっており、家計が苦しくなりかねず、仕事と介護の両立を考えていかなければなりません。
介護と仕事を両立させる制度としては、介護休業・介護休暇というものがあります。
どちらも要介護状態の家族を介護するために休みを取得できる、労働者が仕事と介護の両立をするための制度です。
介護休暇は対象家族1人につき1年度で5日、介護休業は1人につき93日取得可能です。
休業中は原則無休ですが、雇用保険に加入していて一定の条件を満たしていれば介護休業給付金を受け取ることができます。
原則として給付金は賃金月額の67%で、上限額は332,253円(令和4年7月31日までの額です)となっています。
介護は精神的にも体力的にも負担が重いため、介護を理由にして離職をする人は増えているのが現状です。
もしかすると、このような制度があることを知らず会社を辞めてしまう人もいるかもしれません。
しかし、介護と仕事の両立を支援する制度はあります。
厚生労働省のホームページには介護休業制度の特設サイトがあり、動画で分かりやすく「介護休業法」について学ぶことができます。
すぐにこの制度が必要な人ももちろんですが、自分にはまだ関係ないと思う人も今のうちに制度を学び、いざという時に備えておくのもいいのではないでしょうか。
<吉永 怜生>