2021年11月8日の日経新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
記事の中では、生理前に心身の不調を感じる「月経前症候群」(PMS)で、仕事や学校を休むことに抵抗を持つ女性が多いことが、紹介されています。
PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる3~10日ぐらい前から起こる不快な症状のことで、頭痛や腹痛などの身体的症状や、イライラする、気分が落ち込むなどの精神的症状まで、様々な症状が現れます。
生理が始まると、症状が軽快、消失する事もPMSの特徴の一つです。
生理の時、体調不良であっても「言いにくい」「毎月の事だから、仕事を休みにくい」という経験をした女性も多いのではないでしょうか。症状の重さには、個人差があるため、なかなか理解を得にくい事もあると思います。
生理休暇とは、「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させることはできない」という労働基準法により定められた休暇です。
女性労働者であれば、誰でも請求ができますが、有給とするか無給とするかは、会社が独自に定めることができます。
正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、アルバイト、パートなど雇用形態に関わらず、生理休暇を取得することができます。
休暇の日数については、生理期間の長さや、症状の重さ、仕事への影響は個人差があるため、就業規則、その他により休暇の日数を限定することはできません。
休暇の請求は、必ずしも暦日単位で行うものではなく、半日や時間単位で請求された場合は、使用者はその範囲で就業させなければ良いとなっています。
生理休暇は、当日の口頭での請求も可能ですが、「生理日の就業が著しく困難な場合」の休暇であり、単に生理であるという事だけで認められるものではありません。
厚生労働省が行なった「令和2年度雇用均等基本調査」によると、
・女性労働者のうち、生理休暇を請求した者の割合は 0.9%(同 0.9%)
でした。実際に生理休暇を利用する人は少なく、ハードルの高さがうかがえます。
PMSは一般的に生理が始まると症状が軽快したり消失したりすることも多いため、生理休暇の条件である生理日には当てはまりません。
労働基準法においても、PMSを理由に生理休暇が取得できるかどうかについては言及されていません。
しかし、PMSに苦しむ女性も多く、PMSの場合であっても生理休暇が取得できるように定めている企業もあるようです。
仕事に影響があるほど症状が重い場合は、無理をせず制度を適切に活用していきたいですね。
<寺師 瞳>