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60代社員の処遇について

2023年7月17日の日本経済新聞に

60代社員に現役並み処遇 ~人手不足で役職重く~

という記事が掲載されました。

人手不足が深刻になるなか、シニア人材の処遇を現役並みにする動きが出てきています。

21 年施行の改正高年齢者雇用安定法で70 才までの就業機会確保が企業の努力義務となり、定年延長や再雇用の動きが広がってきていますが、多くは給与水準が低く、ポジションが限定される等仕事への意欲を高めにくい状況でした。

人生100 年時代」を迎え労働市場で60 代以上が意欲をもって働くシニア雇用への環境づくりが欠かせなくなってきています。

住友化学では「24 年4 月から定年を60 才から65 才まで段階的に引き上げ、全職種で年収は59 歳未満と同水準とする。」とし、60 才以降は希望者を再雇用してきたが給与水準を4~5割程度に抑えていましたが今回の改定で、60 才以降の給与水準は約2 割に増える予定となっています。

村田製作所は「60 歳以上の賃金体系を見直すと同時に、64 歳までの間で自由に定年を設定できる選択定年制を採用し、キャリアを自律的に決められるようにする。」としています。

こういった背景には労働市場の変化があります。

産業界では40~50 代の採用数が急減する一方でバブル期世代の60 才定年を迎人手不足の懸念が強まっています。

そうした中でシニア世代に期待がかかっています。

総務省の労働力調査によると65~69 歳の就業率は22 年に50.8%と過去10 年で約14 ポイント上昇、データのある1968 年以来最高を更新し、今や2 人に1 人が働く時代となり今後も上昇が見込まれています。

ただ現状では就労意欲のあるシニアの職探しにおいて過去5 年間で約5 割が見つからないといった企業側が取り込みきれていないところもありまだまだ改善の余地が見えます。

どの年代になっても安心・納得して働き続けられる社会を目指していきたいですね。

<岩隈 有里子>