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健康保険組合について

2023年9月4日の日本経済新聞に

健保組合の4割が赤字、高齢者医療費負担重く

という記事が掲載されました。

全国におよそ1380ある健康保険組合の4割で2022年度の収支が赤字となることが分かりました。

21年度の53%を下回ったものの、医療費の増加が想定以上となり厳しい財政状況が続いており、保険料の引き上げにつながりかねません。

健保組合の加入者1人当たりの保険料は22年度におよそ51万円と過去最高。

後期高齢者医療制度ができた08年度から12万円増加し、介護保険料は5万円ほど増え11万7000円となっています。

平均保険料率でみても9.3%弱と過去最高だった。08年度比で2ポイント弱上昇した。現役世代の負担は膨らみ続け、給付と負担のバランスを是正する必要性が増してきています。

また、物価の上昇が続くなど経済の先行きは見通しがしにくく、先細りする現役世代で高齢者を支える今の仕組みでは現役世代へのしわ寄せが大きくなってきています。

世代間の負担を公平にしながら社会保障給付費を抑える改革が求められます

個別の健保の運営も難しくなってきているようです。

特にコロナ渦で影響を受けた小売業、宿泊業や飲食サービス業の保険料は10パーセントを超えています。

これは、これらの業種の賃金の回復が鈍く保険料算定に使う「標準報酬月額」が全産業が平均1.3%増加に対しマイナス2.6%となり賃金上昇が鈍くなっていることが要因としてあるようです。

22年度に健保連に加盟する組合数は新たに3組合が新設されましたが、5組合減少し、単独で組合を維持することが困難などの理由で6組合が合併し2組合が解散をしています。

今後どうなっていくのか、注視していきたいですね。

<岩隈 有里子>