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退職・定年について

人事労務Q&A

Q
社員が営業車で取引先に向かっているときに私用携帯を見て、事故を起こし車が全損となりました。この社員は日ごろから業務上のミスやトラブルを起こすことが多く、その都度上司が注意・指導していましたが、一向になおりません。このような社員に対して「今後このような事故・会社に損害を与えた場合には退職します。」という誓約書、あるいは日付のない退職願を提出させることは可能でしょうか。

A
業務上のミスやトラブルを起こした社員に対し、2度と同じようなミスやトラブルを起こさないよう注意喚起することについて始末書や顛末書を出してもらうことは、問題ありません。しかし「今後このような事故・会社に損害を与えた場合には退職します。」旨の誓約書や日付のない退職願を提出させたうえで、将来同じような事故や会社への損害を与えた場合にこの誓約書や退職願をもとに退職させることができるかについて裁判所は慎重に判断しています。

退職の意思表示が無効となった判例は、
「退職の意思表示無効」(昭和女子大学事件 東京地裁 平4.12.21判決)
「退職の意思表示錯誤無効」(富士ゼロックス事件 東京地裁 平23.3.30判決)
「退職の意思表示の取り消し認める」(ニシムラ事件 大阪地裁 昭61.10.17判決)となっています。

社員がこのような誓約書や退職願を提出した場合であっても、会社として提出の目的を業務指導や注意喚起と考えるべきです。もし社員が同じようなミスやトラブルを行った場合、普通解雇なのか懲戒解雇なのか慎重に検討し、会社として懲戒処分ではなく普通解雇もしくは温情で退職でよいと考えるのであれば、その時に社員から動機の錯誤や脅迫を主張されないような対応で改めて退職勧奨を行うべきでしょう。

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