社員が、不祥事を起こした場合、たとえば現金横領等、懲戒解雇処分が考えられます。懲戒解雇の場合、就業規則に記載している事柄でないと、処分できないというのが通説です。
さらに懲戒解雇は、「労働者の責めに帰すべき事由」なので、解雇予告手当が不要だと考えられますが、その懲戒解雇の事由について、行政官庁(労働基準監督署長)の認定を受けなければ、予告手当は必要になります。
このいわゆる解雇予告除外認定の基準については以下のとおり通達が出ています。参考にしてください。
~解雇予告除外認定の基準~
①原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における窃取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為を行った場合
②賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
③雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合および雇入れの際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合
④他の事業へ転職した場合
⑤原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の催促に応じない場合
⑥出勤不良または出欠ならず、数回にわたって注意を受けても改めない場合
最後に注意です。
たとえ懲戒解雇であっても、行政官庁からの解雇予告の除外認定がない限り、解雇予告ないし予告手当の支払いが必要になります。
上述しましたように、行政官庁からの除外認定は、通達により列挙されており、各社の懲戒解雇事由と一致するとは限りません。