2024年6月10日の日本経済新聞記事に
という記事が掲載されました。
長野県は男性社員が育児休業を取得した県内中小企業などに最大30万円の奨励金を支給する制度を始めるというもので、1つの企業が3回(3人目)まで申請でき、育休期間によって支給金額が変わり、分割取得も対象とし、国の「両立支援等助成金」との併用もできるようです。
担当する産業労働部は「まず男性育休の1例目をつくることが大切」とし、企業で最初の取得を後押しする狙いのようで、奨励金の使途は指定せず「育休取得促進のための研修や代替人材の確保など社内体制の整備に使ってもらえれば」ということです。
県が23年に実施した調査では、県内の育休取得率は女性の94.2%に対し男性は36.7%、また、全国の男性の取得率を業種別にみると、卸売業・小売業が低い傾向があり、小規模な事業所が多いほか、繁忙期と閑散期の業務量の差が大きく一人が抜ける場合の調整が難しいことなどが要因の一つとしてあげられています。
大手企業でも男女間の取得比率の差は大きく、政府の制度改正より先行して仕事と育児の両立支援策に取り組む動きがあります。
男性の育児休業取得を義務化したり、育休取得者の業務を代替する社員に10万円の報奨金を支払ったりなど独自の支援を実施する企業も増えており、企業の育休取得率は向上していますが、同僚の理解が得られないなど職場の雰囲気が壁となり、育休取得をためらう働き手は少なくないという声があがっています。
子どもを育てながら働くことは女性であっても男性であっても簡単なことではなく、社会全体で支える必要があり、また、支え手の頑張りについてももっと目を向け、負担と利益を共有しながら子育て世代を支えることができる仕組みをつくっていかなくてはいけません。
<辻生 智華>