2024年8月15日の日本経済新聞の夕刊に
という記事が掲載されました。
大企業を中心に男性の育児休業取得率が上昇する中、「業務をカバーする社員に特別手当を出す」「働き方を見直す」といった知恵を絞り、人手が少ない中小企業でも取得を後押しする動きが広がってきました。
東京のGOOD PLACEは、従来「職場に迷惑をかけたくない」という理由などで育休取得率は30%前後で推移していました。
そこで、育休取得者の業務を引き継いだ社員を対象に「子育て休業応援手当」を導入したところ、2023年度に男性社員の育休取得率100%を達成しました。
子育て休業応援手当は1人の休職者に対し1か月最大10万円を用意し、支給額は業務を引き継いだ社員の人数に応じて設定されます。
他方ではまた違った対策で、育休推進の動きがみられています。新潟県のサカタ製作所では、働き方を根本から見直すことで男性育休取得率を6年連続で100%を達成しています。
サカタ製作所は2015年から「残業ゼロ」を掲げた働き方改革に着手し、特定の社員しか対応できない業務をなくす社員教育を実施しており育休取得のハードルを低くしています。
総務部の樋山氏は、「今では育休取得は当たり前の雰囲気」と話しています。
しかし、このように育休取得100%を達成する企業もある一方で、育休取得そのものが難しいという企業も少なくありません。人手不足や属人的な業務の多さから仕事を休めないことが原因となっているようです。
政府は男性の育休取得率を2025年に50%の目標を掲げており、2023年4月から1000人超の企業実績値の公表が義務付けられ2025年4月には300人超の企業に拡大されます。
男性の育休を後押しする動きは中小企業にとどまらず、地方自治体にも広がりつつあります。
長野県は2024年から、男性社員が育休を取得した県内中小企業などに1人あたり最大30万円を支給する制度を始めました。
埼玉県は男性の育休取得のために社内環境の整備などに取り組んだ企業を表彰する賞を24年に創設し、好事例の普及を目指しています。
茨城県のつくば市は23年、育休を取得する男性労働者がいる中小企業に1人あたりに対し最大40万円を支給する制度を導入しており、これは支給額としては全国トップ級です。
政府も中小企業の支援を拡充しており、男性の育休支援は全国的な動きとして注目されているといえます。
少子高齢化が進み、日本を支える労働者が大切な存在になっているからこそ、このような動きがさらに進展し、改善されていければと思います。
<福万 ひな>