2025年9月7日の日本経済新聞に
という記事が掲載されました。
10月1日から75歳以上の後期高齢者の一部で医療機関の窓口(外来)で支払う自己負担額が引き上げられます。
3年前に自己負担割合を1割から2割に引き上げられた人が対象となります。1カ月の負担増を3千円までに抑えていた軽減措置がなくなり、原則として2割負担になります。
後期高齢者が加入する医療保険では原則1割負担となっています。ただし、「現役並み所得」がある人は現役世代と同じ3割負担となっています。
また、少子高齢化で医療保険財政が圧迫される中、「一定以上の所得」がある後期高齢者の自己負担は2022年10月から原則2割に引き上げられています。
その際、急な負担増を抑えるために導入された軽減措置が撤廃されるということです。
3年前に2割負担に引き上げられたのは次の2条件にいずれも当てはまる人です。条件は
(1)世帯内の75歳以上のうち課税所得が28万円以上の人がいる
(2)年金収入とそのほかの合計所得が単身世帯は200万円以上、複数世帯は320万円以上
になっています。
お手持ちの後期高齢者医療保険の資格確認書で、負担割合の欄に「2割」と書かれている方が対象です。厚生労働省によると、全国の後期高齢者医療保険の加入者の約20%、380万人程が対象となります。
高齢者の自己負担を増やすのは、医療費が増え続け、支える側である現役世代の税金や保険料の負担が大きくなっている為です。
医療費は高齢化で医療を必要とする人が増えていることに加え、医療技術の進歩で効果が高まる一方、費用も急増しています。少子化で支える側が減っており、所得のある高齢者に負担増を求めざるを得ません。
高齢者の自己負担増は7月の参院選で公約に掲げた政党もあり、政府も検討を進める方針です。
政府は昨年9月に閣議決定した高齢社会対策大綱で、3割負担する「現役並み所得」の対象拡大に向けて検討を進めることを明記しています。
3割負担を導入後、75歳以上の通院回数は減ったが、健康状態の悪化はみられなかったという分析もあります。少子高齢化社会が進む中、すべての世代が必要な医療を受けられ支えあえる体制作りが求められています。
<手島 裕子>