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大学生・大学院生向けの採用選考について

2021年6月2日の日本経済新聞の朝刊に

コロナ下、採用意欲旺盛~選考解禁、内定率もう6割弱~

という記事が掲載されました。

2020年度の雇用環境は長引く新型コロナウイルスの影響で悪化しており、中でもホテルや飲食店など、観光需要減や営業時間短縮のあおりをうけた対面型のサービス業で、女性を中心に非正規労働者への影響が大きく出てきました。

そんな中緊急事態宣言の下、大学生がオンライン中心の就職活動を続けており、来年春に卒業予定の大学生・大学院生向けの採用選考が6月1日解禁されました。

就職内定率は大手企業の面接が本格化し、現時点で6割に達しているようです。

新型コロナウイルスの影響がなかった2年前とほぼ同じ水準になっています。

面接はオンラインと対面を併用する企業が多く、ミスマッチを防ぐため、企業も学生も最後は対面での面接をしたいという声が多く挙げられてきています。

オンライン面接は地方の学生が参加しやすいなどのメリットがありますが、採用側には「学生の本気度や社業の理解度を把握しにくい」という悩みがでてきてしまい、入社後にギャップを感じ、早期離職となれば企業にとって損害が大きくなる可能性も考えられます。

現状は、最終面接は「対面のみ」と「対面・オンラインの選択」が各4割強、「オンラインのみ」は1割弱にとどまっているようです。

一方、航空や観光は厳しい状況が続いており、日本航空(JAL)グループと全日本空輸(ANA)グループは、パイロットなどの一部の職種を除き22年卒の採用が中止され、JTBグループとエイチ・アイ・エスも採用を見送られています。

コロナ禍の中、政府は2021年度、雇用保険に入ってない人向けの「求職者支援訓練」の受講者を5万人に倍増、自治体などが運営する「公共職業訓練」も従来の1.5倍の15万人へ、働きながら学び直す「教育訓練給付制度」も10万人程度がつかっており計30万人規模を支援することを目標に考えられています。

コロナ禍で打撃を受けるサービス業への就職を断念し、志望先を変える学生もいるようです。

ミスマッチを防ぐためにも、企業が学生に求める能力や仕事の内容をきめ細かく伝え、企業と学生の双方が適性や能力をじっくり見定めるために、秋や冬に選考する通年採用や既卒者採用の拡大も考えていく必要がでてくるのではないでしょうか。

まだまだ不安が続きますが、就活生は焦らず、自分に合った企業を見つけ諦めずに挑戦していってほしいと思います。
<古田 知佳>