2023年1月24日の日本経済新聞の朝刊に
という記事が掲載されました。
ウクライナ情勢の影響によるエネルギーや食糧の高騰・円安の影響による原材料費の値上がりで、歴史的な物価高が続いています。
このような状況下で、物価高をカバーするだけの賃金の上昇が実現するかどうかが注目されています。
日本は長い間、賃金が上がらない→消費が低迷し、消費者は安いものを求める→企業は値下げをし、収益が増えない→賃金を抑える、という状態が続いていました。
物価が上がっている今こそ、この負の循環を好転させようと呼びかけられています。
大企業からは前向きな動きがみられ、昨年に比べ早い段階で賃上げの意向を示す企業が相次いでいます。
全体として、3%前後の高い水準の賃上げが期待できるといった予測が相次いでいますが、定昇を引いたベースアップは1%前後の上昇率で、物価上昇を上回る賃上げは厳しいとの見通しです。
早期表明の背景には、物価高への対応もありますが、新卒など若手や専門人材の獲得競争の激化が影響しているようです。
積極的な給与引き上げをアピールし、優秀な若手や専門人材確保につなげたい考えです。
また、日本全体で賃金引き上げの機運を高めるには、働く人の70%が勤めている中小企業の賃上げがポイントになっています。
大企業相手では中小企業の立場は弱く、コストの上昇分を価格に転嫁できないケースも多いといいます。
価格を上げられなければ、それだけ収益が削られ、賃上げの原資が確保できません。
経営体力を上げるべく、公的な制度等も利用しつつ、収益力や生産性の向上に取り組んでいく必要があります。
賃金UP→消費UP→収益UPの好循環に転換し、働く多くの人々が希望を持てる日本経済になることを期待したいです。
<松本 有紀>