2023年6月7日の日本経済新聞に
という記事が掲載されました。
政府は6日、「新しい資本主義」の実行計画改定案を公表しました。転職しやすい労働市場改革やスタートアップ支援に重点を置きます。
賃上げを持続しつつ、成長産業への移動を促して成長力を底上げする狙いです。
今回示した改定案は改革の目的を「転職により賃金が増加する者の割合が減少する者の割合を上回ることを目指す」と明記しており、リスキリング(学び直し)による能力向上と市場の円滑化、職務給の導入を三位一体で進めます。
労働者側が新たな職場でよりよい待遇を得るには職務に合ったスキルを得て成果を出すことが必要です。
休業手当などを補填する雇用調整助成金は、30日を超える場合は新たな技能取得に重点を置いた教育訓練を原則とするなどリスキリング(学び直し)支援を見直します。
市場円滑化の柱は失業給付の支給を早めることです。
現状は自己都合離職の場合は受給まで2カ月以上かかりますが、7日間で支給される会社都合の離職と同程度の期間にします。
終身雇用を前提とした退職金の課税制度も改めます。
今は同じ企業に20年を超えて勤めれば退職一時金をもらう際の税負担が軽くなります。
働く人が安心して転職できる仕組みを整える構えです。
さらに仕事の内容で金額が決まる職務給の導入も進めます。
スキルを得た人の転職が活発になれば労働市場の流動性は高まり、高い賃金を求め成長産業であるデジタルやグリーン分野に流入します。
転職の壁を打ち壊し、労働市場を活性化して成長産業への移動を促すと同時に、働き手の意識改革も重要で、自分への投資を進める環境整備が必要です。
<葉山 聖華>