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勤務について

土曜日の休日出勤に従業員が年休取得を申請し、 認めなければいけないか。

この会社では、業務の都合で週休2日制の土曜日に出勤が必要になりました。その際、ある従業員が年休取得を申請してきました。このような場合、この年休を認めなければならないでしょうか。

年次有給休暇制度とは、労働日の労働義務を免除し、その賃金を保障するものです。

年休を行使するには、労働義務のある日(労働日)が前提になり、はじめから労働義務のない休日その他労働義務のない日には、年休を行使することはできません。

つまり労働日に就業しなくても、賃金を受けて休養することができることが「年休」であります。

この質問で問題になるのが、休日である土曜日に出勤を命じれば、労働義務が生じ、労働日となり、年休請求権が発生し、従業員に年休を与えなければならないのではないかという疑問です。

休日は、原則として労働契約において労働義務がないとされています。

休日出勤は、労働義務が生じますが、これは例外的な労働義務で、その休日が労基法第39条(年次有給休暇の取得)にいう労働日になるものではありません。

つまり、使用者が休日出勤を従業員に命じたとしても、従業員はその日に関して年休権を行使することはできず、年休を与える必要はないということになります。

また行政解釈は「所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである」(昭33・2・13基発第90号、昭63・3・14基発第150号)としています。

したがって、休日労働をしても、その日は年休取得要件を計算する際の全労働日に含まれません。

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