2021年2月19日の日本経済新聞の朝刊記事に
と言う記事が掲載されました。
外食やサービスといった業種は新型コロナウイルス禍で収入の減少が続き、春季労使交渉では、定期昇給といった賃金改善は厳しくなるようです。
賃金制度は大きく2つに分かれており、仕事を基準に作られているもの、人を基準に作られているものとなります。
日本の人事制度は、人を基準にして作られており、「その人の能力があがると給与も上がる」という考え方になります。諸外国では、「この仕事をしている人は、この給与額」という風に、仕事内容に対して金額が決められていることが多いようです。
人を基準に考えられている「属人給」と言われる賃金制度には年功給、職能給といったものがあります。
年功給とは勤続年数・年齢・学歴など個人の属性に合わせて支払われるものとなります。
また職能給とは個人の職務遂行能力を見越して支払われるものとなります。
一方、仕事を基準に考えられている「仕事給」の代表的なものには「職務給」があり、その人がどの業務範囲で契約を結んでいるかによって賃金が支払われるものとなります。
今回記事に取り上げられている定期昇給ですが、毎年時期を決めて定期的に行われる昇給のことで、能力に関わらず賃金が上がり、年功序列賃金制度ともよばれており、属人給に基づいた制度となっています。
日本従来の終身雇用や年功序列は、この属人給によって支えられてきましたが、近年では脱終身雇用・脱年功序列の流れに向かい、属人給から、属人給と仕事給を合わせた賃金制度へとシフトしていっています。
新型コロナウイルスにより企業の収入が不透明になるなか、一層この動きが加速されるのではないでしょうか。