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介護保険料の見直しについて

11月1日の日経記事の朝刊に

介護保険料、高所得者の引き上げ議論~抜本改革は尻込み~

という記事が掲載されました。

厚生労働省は31日、社会保障新議会を開き、65歳以上が毎年払う保険料の引き上げに関する議論を始めました。

少子高齢化社会が進み高齢者の数が増える現代で、介護サービスにかかる総費用は年々増加しています。

現在の介護全体にかかる費用は13.3兆円(22年度)で、2000年に制度が創設された時の3.7倍にも膨れあがっています。

それに応じて65歳以上が支払う保険料も増加しています。

こちらも創設時と比べて2倍超の6000円代となり、現行の介護サービスを維持するためには、2040年には今の1.5倍の額である9000円程度が必要になるとの試算も出ています。

しかし、高齢者全体で一律に保険料の負担増を求めるのは難しいとして、厚生労働省は負担能力に応じた保険料設定にするかの議論を行っています。

現在の保険料の月平均は6014円で、最も高額なのは年間所得320万円以上の人で10224円、段階は9つに分けられています。

この一番高い10224円の上にさらにもう1階層を作り、10段階にすることを考えているようです。また、所得の低い人の保険料を引き下げる案も出ています。

しかし、このような改革は抜本的な解決にはならないとされています。

一つの方法として求められているのは、サービスの利用者負担を引き上げるというものです。

現在、利用者負担は1割ですが、これを2割に増加させる改正案が考えられています。

この改正案は3年前ニも高齢者の負担増を懸念して見送られています。

また、後期高齢者が医療と介護の両方で保険料率の負担増となってしまうことも懸念点の一つのようです。

厚生労働省は、この2割負担に引き上げる改正に関して、所得の高い人に絞って対象の拡大を図る方向で議論を進めています。

以上の点を踏まえ、厚生労働省は年内には介護保険制度の改正案をまとめ、24年の実施を目指す方針です。

少子高齢化が進む中、現在の保険制度に対してより抜本的な改革が期待されています。      
                            
 <大野 佑莉>