
2026年10月7日の日本経済新聞に
という記事が掲載されました。
毎月勤労統計調査(賃金、労働時間及び雇用の変動を明らかにすることを目的に厚生労働省が実施する調査で、国の重要な統計調査である基幹統計調査として実施されています)によると、物価変動を考慮した実質賃金は8カ月連続でプラスを維持(2026年8月速報では前年同月比1.5%増)しており、賃上げの波及が確認されています。
ニュースなどでも賃金上昇に関する話題を目にする機会も増えました。賃金が上昇することは労働者の生活向上につながるため、本来であれば歓迎すべきです。
しかし、賃上げの効果を十分に実感できていない方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。
その大きな理由は、飲食料品を中心とした物価上昇です。スーパーやコンビニエンスストアで買い物をすると、以前よりも多くの商品の価格が上昇していることに驚きます。
買い物する度に「高なったな~」という心の声が漏れてしまいます。特に米、野菜、卵、飲料、菓子類など日常的に購入する商品の値上げは家計への影響も大きいです。
また、外食においても定食や麺類などの価格が上昇しており、同じ生活を送るために以前より多くの支出が必要となります。

物価の上昇はとどまることなく、2026年10月に飲食料品、主要企業195社で合計3153品目値上げされました。
2027年4月には食料品の消費税が8%から1%に引き下げられる方針ですが、手放しに喜んでいいのでしょうか。
例えば、2026年9月に108円(本体100円+消費税8%8円)だった食料品が2026年10月10%値上げされ、118円(本体110円+消費税8%8.8円)になると2027年4月に減税されても約111円(本体110円+消費税1%約1.1円)になり、2026年9月と比べると減税なのに値上げされています。
このような状況では、仮に賃金が上昇したとしても、その増加分が物価上昇によって相殺されてしまうため、自由に使えるお金が増えたという実感を持ちにくいですよね。
好きなことにどれだけお金を使えるかというのも、賃上げを実感する大きなポイントではないでしょうか。
一方で、同日10月7日の夕刊に九州・沖縄の4〜9月倒産件数6.9%増 17年ぶり500件超、物価高響く関西企業の倒産5%増 26年4〜9月に1359件、15年ぶり高水準という記事も掲載されました。
企業側も原材料費やエネルギー価格の上昇、人件費の増加などの課題を抱えており、価格転嫁は経営を維持するために必要です。
そのため、単に値上げを否定するのではなく、企業の収益改善と労働者の賃金上昇が好循環を生み出すことが重要です。
大切なのは、働く人の給料が上がることと、企業が安定して経営を続けられることの両立です。買い物に行き、「安っ」と言える日が来ることを願っています。
<清水 雅友>