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☆氷河期世代の支援☆

2019年12月21日の日本経済新聞の朝刊記事に

雇用 氷河期世代を支援

という記事が掲載されました。

氷河期世代とは、1993~2004年に学校卒業期を迎えた世代を指します。高卒者の場合は1975~85年ごろに生まれた人、大卒者の場合は70~80年ごろに生まれた人になります。

バブル崩壊後に企業が採用を控えたため正社員になれず、その後も非正規で働き続けている人が多い世代とされています。

内閣官房の就職氷河期世代支援推進室によると、この世代では、正社員になりたいのに非正規雇用で働いている人が少なくとも50万人、「長期無業者」が40万人程度いるとみられ、支援が必要な人は、合わせて100万人程度と見込まれています

就職氷河期世代のもっとも年齢の高い層はこれから50代に入っていきます。

非正規雇用が多いということは、貯蓄が低く年金加入率も低い可能性があることを意味します。これらの人たちが高齢化し、さまざまな困難に直面した場合、生活が危機に陥りやすいとみられています。

今年4月の経済財政諮問会議ではこの世代を「人生再設計第一世代」と名付ける民間議員の提案があり、言い換えが批判を浴びました。

政府は「第一世代」という言葉に象徴されるように一部の問題ととらえているようですが、本質的には特定の世代の問題ではなく、雇用全体の問題です。要するに非正規雇用が問題なのです。

そうした意味では日本経済全体の問題でもあります。

人手不足が深刻化している中、こうした氷河期世代の正規雇用を促進することが、現在の日本社会の課題となっており、政府はこれを積極的に進めています。

政府は今後3年間を集中的に取り組む期間と定め、氷河期世代の正規雇用労働者を、3年間で30万人増やす方針を示しています。

氷河期世代の雇用を見直し、どのように活用していくかが、人手不足解消の近道となるのかもしれませんね。

〈藤川 楓〉