
2026年5月25日の日本経済新聞に
という記事が掲載されました。
労働市場では、わずかな実務経験を持つ「微経験」人材を採用する求人が増えています。
特に人手不足が深刻なIT業界では、初歩的な開発経験があれば即戦力として採用する動きが強まっています。
人材サービス大手エンの調査によると、「エン転職」や「AMBI」に掲載された求人のうち「微経験」という言葉を含む求人は年々増加しています。
正社員求人では、2022年1〜3月を100とした場合、2025年10〜12月には200と2倍に増えています。
微経験に明確な定義はありませんが、求人では実務経験6カ月〜1年以上を指すことが多く、一般的な「経験者」は3年以上を想定する場合が多いです。
IT業界では特に「微経験歓迎」の求人が多く、特定のプログラミング言語での開発経験やソフトの使用経験などが条件として挙げられています。
背景には、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)によるデジタル人材需要の急増と、人材不足の深刻化があり、経験者は獲得競争が激しく、未経験者は育成に時間がかかるため、その中間にあたる微経験者が即戦力と育成のバランスが取れた人材として注目されています。
また、「第二新卒」などの言葉よりも幅広い層にアプローチできる表現としても使われています。
若年層に限定されず、ミドル層まで対象を広げる意図もあるとされ、さらにAIの普及により業務内容も変化しています。
これまで事務職が担っていたデータ整理などの業務が高度化し、ITエンジニアの役割として新たな需要が生まれているという指摘もあります。
また、AIが生成した結果を検証する仕事など、新しい業務も発生しています。
賃金面でも差があり、4月の平均派遣時給は未経験者が1490円なのに対し、微経験者は2304円と約800円の差があり、IT系求人が多く高時給になりやすいことも背景にあるとされています。
今後も人件費上昇などを背景に、企業の即戦力志向は強まるとみられており、一方で、業界知識など明文化されていない理解力も重視されており、単純な経験年数だけでなく柔軟な評価が広がっています。
こうした流れは、必要なスキルを持つ人材を柔軟に取り込もうとする動きでもあり、人手不足の解消に向けた採用の形は今後も変化していくと考えられられます。
<塚田 叶夢>