
2026年6月10日の日本経済新聞に
カスハラ対策、企業6割「まだ」意見との区別で判断苦慮 都調査、中小は人材難で指針後手
という記事が掲載されました。
今年の10月1日から全ての国内企業等にカスハラ防止のため、雇用管理、必要な措置を講じることが義務付けられますが、「正当なクレームとの判断が難しい」「ノウハウ不足」等の理由から、調査を行った4727社のうち、まだ対策に取り組んでいない企業は約6割を上回っているそうです。
カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客や取引先から従業員に対して行われる不当な要求や迷惑行為で、就業環境や心身に悪影響を与える行為をいいます。
カスハラは2024年ごろから社会問題となり、企業ごとに対策が委ねられていた中、25年4月に東京都や北海道などが初めて防止条例を施行しました。
国は今年の10月から義務付けられるカスハラ防止対策に対して従業員向けの相談窓口の整備や対処マニュアルの策定などを促していますが、中小企業は大手と比べて人手やリソースが少なく、自前で整備するのは簡単ではないという課題があります。
10月の施行に間に合わなかった場合、行政指導の対象となり、改善されない場合は企業名が公表されます。
これは地域密着の中小企業にとって社名公表は重大なペナルティといえます。
最近は飲食店やコンビニエンスストアなどでも名札を付けていなかったり、イニシャルや「スタッフ」と書かれた名札を付けたりしている従業員をよく見かけます。
これも従業員の個人情報を守るためのカスハラ防止対策のひとつです。
正当なクレームとの区別が曖昧にならないように、どの場合がカスハラに該当するのか、社内で統一した認識を全ての従業員に分かりやすく説明することが会社には求められます。
担当者の我慢に頼らない、従業員を守るための体制整備をしてくことは、労働者が安心して長く働き続けることができる環境づくりの一歩ではないでしょうか。
<右田 茉依>