
2026年6月22日の日本経済新聞に
という記事が出ました。
「静かな退職」とは、実際に退職するのではなく、必要最低限の業務のみをこなし、それ以上の仕事や責任は積極的に引き受けない働き方を指します。
新型コロナウイルスの感染拡大後にアメリカで広まり、人生や働く意味を見つめ直す人が増えたことをきっかけに、特にZ世代を中心にSNSで共感を集めました。
日本でも徐々に広がっており、マイナビの調査では正社員の46.7%が自分は「静かな退職」をしていると回答し、20代では半数を超えています。
会社側は、社員の仕事への意欲が低下することで、一人ひとりの成果が伸びず、会社全体の業績にも悪影響が及ぶことを懸念しています。
一方で、「静かな退職」は仕事を怠ることではなく、最低限の業務は責任を持って行う働き方です。
そのため、過重労働やバーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐための自己防衛という側面もあり、一方的に否定することはできません。
また、日本では職務内容が明確なジョブ型雇用(アメリカで定着)ではなく、職務範囲が曖昧なメンバーシップ型雇用が主流です。
ジョブ型では「最低限やるべきこと」は職務記述書に明示され、報酬も定められています。一方、メンバーシップ型では誰が何をどこまでやるのか、職務定義が曖昧です。
そのため、「静かな退職」を選ぶ社員が増えると、周囲の社員が業務を補う必要が生じ、負担が偏る可能性があります。
マイナビの調査では、「静かな退職」に至るきっかけとして、「仕事内容との不一致」「評価不満」「損得勘定」「無関心」の4つのタイプが挙げられています。
特に仕事内容や人事制度、評価への不満が原因となるケースが多く、会社には社員のやる気や能力に合った仕事を任せることや、年功型の評価ではなく、成果を適切に評価して報酬へ反映すること、孤立しないよう職場でのコミュニケーションを充実させることなどが求められています。
日本では仕事への満足度が海外と比べて低いとされ、その根底にあるのは、終身雇用を基本とした日本型雇用があります。
しかし、現在は一つの会社が生涯を保障する時代ではなくなりつつあります。
そのため、「静かな退職」を一つの働き方として理解し、自分自身のキャリアを主体的に考えることが重要になっています。
<塚田 叶夢>