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AIが変える「適材適所」のかたち

近年、人事の世界でもAIの活用が急速に進んでいます。

日本経済新聞では、営業担当者の異動にAIを導入し、配属先との相性を分析する取り組みを紹介していました。

人事の難題「適所適材」をAIで オリックス生命は配属先との相性分析

営業成績だけでなく、エンゲージメントやスキル、組織風土など約6,000項目ものデータを組み合わせ、一人ひとりが能力を発揮しやすい配置を導き出すというものです。

これまで経験や勘に頼ることが多かった「適所適材」を、データに基づいて支援する新しい人事の形として注目されています。

「適所適材」は、多くの企業が理想として掲げながらも、実現が難しいテーマです。

能力や経験だけでなく、上司との関係性や職場環境など、さまざまな要素が重なり合って初めて、その人の力は発揮されます。

人事担当者は限られた情報の中で最善の判断をしていますが、人によって判断基準に違いが生じることも少なくありません。

そのような中で、AIが膨大なデータを客観的に分析し、人事判断を支援することには大きな価値があると感じます。

一方で、記事の中で印象的だったのは、「最終決定は人間が行うことが重要」という考え方です。

AIが分析するのは、あくまでも過去のデータです。社員を取り巻く環境や本人の成長、挑戦したい気持ちなど、数字だけでは表せない要素も数多くあります。

だからこそ、AIの分析結果を参考にしながらも、最後は人が対話を重ね、一人ひとりと向き合ったうえで判断することが欠かせません。

また、AIによって定型的な業務を効率化できれば、人事担当者は社員との対話や育成、組織づくりなど、人だからこそ価値を発揮できる仕事に、より多くの時間を充てられるようになります。

AIを「人を評価するための仕組み」ではなく、「人の力を最大限に引き出すためのパートナー」として上手に活用しながら、データだけでは見えない社員の可能性や想いにも目を向けることが大切なのではないでしょうか。

人的資本経営が重視される今だからこそ、「人」と「AI」、それぞれの強みを生かした人事が、これからの企業の成長を支えていくのだと感じました。

<鴻矢 智美>