
2026年7月10日の日本経済新聞に
SNSの民意、政策に反映 政府が「ソーシャルリスニング」 氷河期世代の本音を探る
という記事が掲載されました。
本記事では、政府が就職氷河期世代の抱える課題やニーズを把握するため、SNSやブログ、掲示板などの投稿を分析する「ソーシャルリスニング」を導入する点について書かれています。
この導入は企業がマーケティングで活用してきた手法を政策立案にも取り入れ、就労や介護、資産形成などの支援策に反映させることが目的です。
分析は専門会社に委託し、投稿内容やプロフィールから利用者の属性を推定して意見を収集します。
従来のアンケートやパブリックコメントよりも本音を把握しやすい一方で、誤情報やスパム、外国による世論操作などの影響を受ける可能性があるため、重複投稿の除外や複数のSNSを活用するなど、分析精度を高める対策も必要とされます。
就職氷河期世代とは、1990年代後半から2000年代前半の景気低迷期に就職活動を行った世代のことです。
この世代は正社員として就職する機会を得られず、非正規雇用や無業状態を経験した人が多いといわれています。
現在は40代から50代となり、親の介護や老後の生活資金など新たな課題にも直面しているのが現状です。
内閣府が就職氷河期世代等支援推進室を設置し、支援紹介ポータルサイトをつくるなどしている点からも、国をあげて当該世代が抱えている現在と将来の暮らしへの不安を軽減するため対策に講じていることが分かります。
SNSの投稿を政策づくりに活用することは、これまで拾いきれなかった国民の率直な意見を把握できる点で有効です。
アンケートでは回答しない人でも、SNSでは日常的に悩みや不満を発信していることが多く、より実態に近い声を集められる可能性がある一方で、誤情報や極端な意見も多く含まれているため、それらをそのまま政策に反映してしまうことには危険性もあると考えます。
多くの情報を適切に分析し、信頼できるデータを見極めながら活用することで、より実情に合った政策の実現につながるのではないでしょうか。
<右田 茉依>