
2026年7月24日の日本経済新聞に
中途社員の早期離職、損失607万円 賃上げや採用コスト拡大で4割増
という記事が出ました。
中途採用した社員が入社後1年未満で退職する「早期離職」による企業の損失が増えています。
人材サービス大手のエン・エージェントの調査によると、2025年時点で年収500万円台の社員が半年で退職した場合、企業が負担する損失は1人あたり607万円となりました。435万円だった2020年時点と比べて約4割増えています。
損失の大部分を占めるのは、退職までに支払った給与などの「在籍費用」で、全体の約56%にあたります。
また、採用費用も約32%を占めています。賃金の上昇や人手不足により採用費用が増えているため、早期離職による企業の負担は以前より大きくなっています。
中途採用した社員が転職する動きは、ミドル層にも広がっています。終身雇用への期待が薄れ、自分の市場価値を見直しながらキャリアを選ぶ人が増えていることが背景にあります。
経験豊富な社員が早期に退職すると、企業は採用費用などの損失だけでなく、中核人材がいなくなることで業務が停滞する可能性もあります。
こうした早期離職のリスクが高まる中、企業は採用時の人材の見極めを厳しくしています。
募集時に求めた条件を満たしていない場合に採用しない企業は62.1%に達しました。
また、前職の上司や同僚に転職希望者の働きぶりなどを確認する「リファレンスチェック」や、経歴などを確認する身辺調査を導入する企業も増えています。採用後のミスマッチを防ぎ、早期離職による損失を抑えることが目的です。
採用にかかる費用の増加も企業を悩ませています。人手不足を背景に求人広告費が増加しています。
さらに、新卒採用でも早期離職によるコストが増加しています。採用活動の早期化により、内定後のフォローや研修などにかかる費用が増えているためです。
企業にとって採用した人材に長く働いてもらうことが重要なことの一つです。
そのため、採用時のミスマッチを防ぐための選考を厳しくするだけでなく、入社後の研修やコンプライアンス教育、資格取得支援などを充実させる動きも広がっています。
人材の採用に多くの費用がかかる中、採用前の見極めから入社後の支援まで、早期離職を防ぐための取り組みがこれまで以上に重要になっています。
<塚田 叶夢>